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基本構想
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「なんでいまさら瞑想通信なんだろうな」
「あぁ、なんでも『枯れた技術の水平思考』らしいよ」
「『枯れた』ってまた、嫌な響きだな」
「よくわからんが、『古くて安心できる技術』って事らしい」
「そりゃまあ、瞑想通信はそうねぇ」

                         22200102 玄霧藩国国民の反応


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【瞑想通信】という技術がある。
NWでは、既にかれこれ30年以上は前から使われている森国の通信・連絡手段である。
要するに他国におけるコンピューターネットワークと同じようなものであるが、比べてみると遥かに不便であった。

まず、必要とされる人数がだいぶ違った。
PC等を使用する他国のネットワーク回線を使う場合、極論すれば一人で事足りる。
スイッチを入れて、あとは一人で使うだけ。といったわけだ。一人で使う場合、場所も殆どとらない。
だが、瞑想通信ではそうは行かない。起動(というか通信を開始)するためには、10人ほどが集まって円座を組み、瞑想する必要がある。
無論、その分場所も取る。

そして、プライバシー保護などがあまりない。
起動するために10人ほどが集まる必要があるため、殆どの場合で集まった人同士では使用目的がわかってしまう。
こっそり使用することは、そもそも構造的に不可能なのだ。


しかし、不便なだけならば、いずれ自然と淘汰され消滅していくものである。
それが未だに残っているからには、理由があった。
安定性と、信頼性の高さである。

電源も回線も不要であり、人が存在し、集まることができ、瞑想が可能な場所であればどんな状況でも通信を開始することが可能であること。
それに加え、起動に複数人を必要とすることから、なりすまし等による誤情報の発生が普通の通信手段よりも低いこと。
また、人が扱う以上、ヒューマンエラーはあるものの、致命的なバグなどは現存してしない。
バグが存在していても、既に対処法も調べつくされているわけである。
コンピューターウィルスもハッキングも、生身の人間に攻撃することは出来ないため、電子戦も存在しない。
対情報戦に関しては、絶対の信頼性がある。
#なお、魔術的な大規模攻撃等に関しては現在前例がないため、不明。

これらのメリットが、30年以上にわたりただの一度も(細かい騒動・問題を除き)騒動や問題を起こさずに、今も使用され続けている理由である。

今、この瞑想通信が、新しい局面を迎えようとしている。


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切っ掛けは些細なことであった。
T11の昔。ヘイムダルの眼というアイドレスを生み出したときに、既存の技術を別の方向に使うことで予想外にうまくいった。
T13のころ。緑オーマの襲来と、彼らの使う物理域変動の技に驚き、物理域変動による連絡途絶に対応する手段がないことに危機感を持った。
そして、T15が始まる頃、帝国は越前藩国の誇るうっかり摂政・黒埼氏が敵勢勢力による物理域変動の予感から「文殊ヤバイ、ちょーやばい」と大慌てし、データのアルカディア(逃避先)を求めて相談しに来たことで、有用性が確認された。

これらの積み重ねがなければ、おそらく瞑想通信防御網という構想は生まれず、瞑想通信は森国のみで使われていたことだろう。
が、低物理方面への新しい切り口を探していた玄霧藩と、これらの出来事が瞑想通信の新たな可能性を見出す糧となった。

これまではただの通信手段だった瞑想通信を使い、相互通信を行わなずに伝言板やチャットのような形式を取ることにより、大規模に『情報の集積及び保存』と『高物理記録媒体のバックアップ』を行い、さらにはそれを組織的に運用することで『最新情報の共有』と『高物理情報網の補間』を行う。
また、これらを全国に展開することで、同一の災害でメインと同時にダウンしないという側面を持たせる。
これが、瞑想通信防御網の基本構想である。

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